
実家の匂いはオリジナルブレンド|その場に行かないと思い出せない記憶
毎年、夏休み時期になると、実家に遊びに行きます。といっても、両親はもうそこに住んでいません。今では誰もいない空き家です。僕はそこを“別荘”と呼んで、ときどき遊びに行きます。 玄関の扉を開けた瞬間、独特の空気が鼻をくすぐりました。「あ、実家の匂いだ」もうだれも住んでないのに、昔と変わらない実家の匂いがしてきます。 2階に上がったときも同じ。昔の家具、壁、畳、押し入れの布団、湿気まで混ざったオリジナルブレンド。懐かしさと同時に、そこに住んでいた頃の閉塞感まで蘇ります。自由にならない、あの感覚。匂いは、感情まで運んでくるんでしょうね。 匂いは思い出そうとしても思い出せない 不思議なことに、匂いの記憶...